【2024年3月号】Editor's Room

2024.02.05   編集より

 

 からだが大きくて力持ち。親切で、いつも誰かの役に立ちたいと思っているけれど、ちょっと不器用で失敗ばかり。でも、いつだって一生懸命。そんなどんくまさんが「月刊こどものせかい」に初めて登場したのは、1966年9月号『どんくまさん』。それから約30年間で全26作が発行されました。今月号『どんくまさんの おてつだい』はシリーズ5冊目、初期の作品です。

 『どんくまさん』の最初のページの絵。みんながほっとするような主人公は何がいいだろう…人間なのか動物なのか、大人なのか子どもなのか…いろいろ話すうちに最終的に柿本先生が「ぼくにまかせて」とおっしゃって、数日後手渡されたのがこの1枚—どんくまさんの誕生です。
 柿本幸造先生、弊社編集者でもあった蔵冨千鶴子さん、前代表の武市八十雄氏の「寄り合い」と呼ばれていた打ち合わせはいつも、“それぞれがアイデアを出し合いながら、3人がどんくまさんの気持ちになって、ああでもない、こうでもないと、大真面目で子どもの心丸出しで遊んでいるようだった”そうです。だからこそ、子どもとも大人ともいえない、子ども心いっぱいのどんくまさんに、誰もが魅了されるのでしょうね。

 空を飛んだり、船に乗ったり、知らない町で大騒動をおこしたり…春夏秋冬、美しい景色の中で、元気いっぱいに動きまわるどんくまさんの愛しい失敗ぶりと大活躍を、ぜひ他の作品もご覧になってお楽しみください。
 


おまけ:題名は最初『どんくまさんは てつだった』でしたが、「鉄だった」と勘違いする読者が多かった為、上製本化の際に変更されたそうです。鉄のどんくまさん… すごく重たそうですね(笑) (M.K)

 

 

 

▼ 蔵冨千鶴子さんと柿本幸造さん

 

▼月刊「こどものせかい」での初版と上製本


上製本化にあたり、タイトルと表紙の画が変更になっています

 

 

 

 


▼「どんくまさん」は海外でも人気です
 こちらはできたてほやほやのタイ語版シリーズ

左から『しあわせな どんくまさん』『じゃむじゃむ どんくまさん』『どんくまさん』

 


 

▼こどものせかい2024年3月号
 『どんくまさんの おてつだい』をみる
 


▼ 作者のことば・プロフィール
  絵本づくりの仕事場より
 

 

▼ この絵本をもっとあじわう
  片柳弘史神父とよむ こどものせかい


 

 

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