【2024年8月号】Editor's Room
どんくまさんの絵本は全26タイトルが発行されています。どれも、どんくまさんの失敗と大活躍で魅力たっぷりです。「何がいちばん好き?」と言われると選べないで困ってしまいますが、私にとってこの『どんくまさんの こもりうた』はベスト3にはいります。
いちばんのお気に入りは「かり こり しゃくしゃく」の場面。え? どこそれ? と思われましたか? どんくまさんと子うさぎが遊ぶ場面です。文章はほとんどありませんが、この「かり こり しゃく しゃく」の言葉とおいしそうににんじんを食べる子うさぎの姿、「あそんで あそんで いっぱい あそんで」といろんな遊びをするどんくまさんと子うさぎが、もうたまらなく好きなのです。それと、最後に子うさぎが「すぽん」と、どんくまさんのひざに飛び込む場面。これには誰もがにっこりしてしまいますよね。
他にも『どんくまさんの かわのたび』の美しい紅葉の中をいかだで川を下る場面、『どんくまさんの パン』の大きなどんくまパンが窯からとびだしているところ、『じゃむじゃむ どんくまさん』のジャムを煮ている甘い香りが漂う場面や終わりの言葉「じゃむじゃむ」などなど、あげだしたらきりがありません。
また、どんくまさんが歌う場面もたくさんあります。どんくまさんは、とってもロマンチストなのです。今回も満天の星に抱かれながら、子うさぎを寝かしつけるどんくまさんのやさしい子守歌。情感豊かな絵と文は作者たちのあたたかい想いが、たっぷりあふれています。
お気に入りの絵や言葉が、みなさんにもきっとあることでしょう。子どもに聞いてみたら、思いがけない場面を教えてくれるかもしれませんよ。(M.K)
▼どんくまさんの かわのたび(1983)
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▼どんくまさんの パン(1981)
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▼じゃむ じゃむ どんくまさん(1973)
▼こどものせかい2024年8月号
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片柳弘史神父とよむ こどものせかい
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