【2024年9月号】片柳弘史神父とよむ こどものせかい

2024.08.05   エッセイ

 

 


プレゼントを受け取る

 

 公園の花壇や道端で、一生懸命に咲いている花を見かけたとき、気持ちが明るくなったり、うれしくなったり、生きる勇気が湧いてきたりすることがあります。それは、わたしたちの心が、花から何かメッセージを受け取ったしるし。わたしはそんな風に思っています。花を通して、神さまがわたしたちの心に語りかけたしるしといってもいいでしょう。花の美しさや繊細さ、力強さを通して、神さまはわたしたちに、「大丈夫、きっと何とかなるよ」「わたしがいつもそばにいる」「きみのことが大好きだよ」とやさしく話しかけてくださっています。そのメッセージを受け取ったとき、わたしたちの心に喜びや力、生きる勇気が湧いてくるのです。

 花を見て何か嫌な気分になったり、気持ちが落ち込んだりする人はあまりいないでしょう。花から生まれてくるのは、いつでも明るい気持ちやうれしい気持ち、幸せな気持ちばかりです。色も形も咲く時期もさまざまな花たちを通して、神さまはこの世界を、明るい気持ちやうれしい気持ち、幸せな気持ちでいっぱいにしたいと願っている。そんな風にも思えます。花たちは、この世界に、幸福と平和をもたらすために造られた。そういってもいいくらいです。花たちの写真を見て心に湧き上がってくる思いを、神さまからのプレゼントとしてしっかり受け止めることができますように。
 
 
 


 

 

◇2024年9月号「かみさまからのプレゼント」 片柳弘史・写真と文◇

 

 

 

 

 

 

▼ 片柳弘史 プロフィール

カトリック宇部教会主任司祭。1971年埼玉県生まれ。1994年慶応大学法学部法律学科卒業。1994〜95年インド・コルカタにてボランティア活動。マザー・テレサから神父への道を勧められる。1998年イエズス会入会。2008年上智大学大学院神学研究科修了。同年、司祭叙階。現在は山口県宇部市で3つの教会の主任司祭、3つの幼稚園の講師、刑務所の教誨師。

◆著作に『みんなのやさしいおかあさん マザー・テレサ』(絵・つるみゆき/文・片柳弘史、至光社)『こころの深呼吸〜気づきと癒しの言葉366』『やさしさの贈り物〜日々に寄り添う言葉366』(教文館)、『世界で一番たいせつなあなたへ〜マザー・テレサからの贈り物』『何を信じて生きるのか』(PHP研究所)『ひめくりすずめとなかまたち』(キリスト新聞社)など。

◆Eテレ『グレーテルのかまど〜マザー・テレサのチョコレート』、テレビ朝日『ぶっちゃけ寺〜キリスト教特集』などに出演。ブログX(旧Twitter)facebookを通しても情報発信している。

 

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