【2024年11月号】Editor's Room
今月の絵本は、聖書のたとえ話をもとにしています。井口文秀先生と佐久間彪神父さまのおふたりは、聖書にあるイエスさまの奇跡やたとえ話の絵本を何冊も描いてくださいました。聖書で読むとむずかしく感じるお話も、あたたかく美しい絵とやさしい語り口の言葉で、ふんわり心に届きます。なにより絵本をひらくと、ふっと「その場所、その時」に誘(いざな)われてしまうのです。ずっとずっと昔、ガリラヤの湖のほとりで人々にお話をされたイエスさま。イエスさまは、こんな景色を見ていたのかな…なんて。
井口先生は、絵本を制作する際、必ずその場所へ出かけていき現地取材をされたそうです。日本国内はもちろん世界各国、その場所の「空気を感じる」ことを大切にされていました。その感性をとおして描かれた絵だからこそ、その土地の風、においや温度、人々の生活感も伝わってくるのでしょう。
先生がアフリカに行かれた体験をもとに描いた絵本があり大好きなのですが、私はアフリカを訪れた時、目の前に広がる景色に「わあー! 井口先生の絵本そのまま!」と感激感動しました。写真とはまた違う、その絵の「真実さ」をどう表現したらいいのでしょう。現地を知らずに、絵本を見て感じ味わっていたものが、まさにそこにあったのです。
子ひつじの気持ちに寄り添いながら、この絵本の世界の空気もたっぷり感じてほしいなと思います。(M.K)
▼「こぞうの ぷぷんが」(1981年)※現在は品切れ
▼「あんぼと こぞう」(1984年) ※現在は品切れ
▼こどものせかい2024年11月号
『ぼく うれしかった』をみる
▼ 作者のことば・プロフィール
絵本づくりの仕事場より
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片柳弘史神父とよむ こどものせかい
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