【2024年12月号】Editor's Room
小西英子先生はご来社くださるとき、いつも白いシャツを着ていたように思う。すっと背筋を伸ばし、やわらかくほほ笑むそのお姿は、清楚でとてもきれいだった。絵はその方をあらわすと言うけれど、精緻で正確、美しい色彩、静かにあふれてくる情感。そして、やわらかな風とよい香りにつつまれ、心があたたかくなる。そんな絵とお人柄。
至光社で発行された絵本3冊『やっと あえた』『ぼく てんしになったよ』、そしてこの『きょうは クリスマス』は、どれも男の子と犬のロッコが主人公で、先生が大好きでいらしたイタリアの街の風景が描かれています。
クリスマスの飾りつけをする人、ケーキ屋のお店の中、広場でお菓子を買う人、クリスマスでにぎわう街、行きかう人々…絵のどこを見ても、楽しそうな声が聞こえてきます。広場や建物、石段の坂道…街そのものが生きている。イタリアに魅了され何度も訪れ、街の空気を肌で感じていたからこそでしょう。いつかイタリアの街に行ったら、きっとどこかでこの男の子とロッコに会える気がします。
あかちゃんのイエスさまに会えた男の子。星・雪・光があふれ、よろこびがひろがる絵本の最後。作者あとがきに「楽しさと、聖なる美しさをあわせ持つクリスマス……その不思議な魅力を描きたいと思いました」とあります。まさにその魅力たっぷりな絵本を、どうぞゆっくり味わって、聖なるクリスマスをお迎えください。 (M.K)
▼『きょうは クリスマス』に描かれたおいしそうなお菓子。イタリアのクリスマスには欠かすことのできない「パンドーロ」や「パネットーネ」など。
▼『 やっと あえた 』(1998年)
▼『ぼく てんしになったよ』(2000年)は月刊のみで発行
※こどものせかい2022年11月号で再版
現在、雑誌のオンライン書店「Fujisan.co.jp」(外部リンク)でお求めいただけます
◎『きょうは クリスマス』の上製本は現在品切れです
▼こどものせかい2024年12月号
『きょうは クリスマス』をみる
▼ 作者のことば・プロフィール
絵本づくりの仕事場より
▼ この絵本をもっとあじわう
片柳弘史神父とよむ こどものせかい
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